着物と帯    KIMONO&OBI


昨年末、岩手の被災地に母と私の着物と帯をお送りさせて頂きました。

もう、一日の大半をベッドの上で過ごす高齢の母には着物は必要ありませんし、私も

この先着物を着ることはまずないと思いましたから・・・。

捨てるには忍びない沢山の着物と帯をどうしようかしら・・と考えていたところに知人

から岩手の被災地の方々が着物や帯を必要としているとの情報を聞き、和ダンス

二棹分整理して、大きなダンボール2箱を宅急便でお送りさせて頂きました。

岩手のお年寄りの方々が集まり、以前手仕事に着物や帯を使ってバッグや小物を

作って楽しみながらお小遣いにしていたところ、今回の津波と火事で、その材料の

すべてを失い、いえ、それどころか鉛筆1本、写真1枚さえも手元に残らず、もちろん

針も糸も何もかも、みんな流されてしまい困っているとのことをお聞きしたからです

新しい着物ではありませんが十分に着られるものばかり、私の着物は袖を通していな

いものもあり、これなら使っていただけるのでは・・・ と思いました。

たとう紙に包まれている着物や帯は懐かしいものばかりでしたが、もう着ることはあり

ません。 最後に作った母のお気に入りの着物と帯だけは手元に置いておきたくて

それだけは残しました。

今では、どこのお宅でも着物は余っていて、とくに帯は引き取り手がないそうです。

それでしたら、被災地の方々の少しでも何か心の慰めのお役にで立つことが出来たら

とても嬉しいですものね・・・

被災地はまだまだ復興が進みません。それなのにもう東京では震災があったことなど

まるで忘れたかのように派手にお金を使ってオリンピック招致運動・・・原発もまだ何も

解決していないのにです・・・  いったいこの国はどうなっているのでしょうか?

そういう中にあって人間は何か心の慰め、生き甲斐、やり甲斐などがなくては寂しい

のではないかと思い、でも、なにせ古い着物と帯ですから心配していたのですが

今週、知人から、皆さんとても喜んでいらっしゃるとお聞きして嬉しくなりました

例年にない雪深い今年の東北です・・・。

一時でも美しい柄などを眺め、おしゃべりをしながら、楽しみながら、皆さんで手仕事

をされ、やがて 必ず訪れる春 を希望を持って待っていて欲しいと心から願って

やみません・・・



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